【暦に願い】「桃の節句」

3月3日、春の光に包まれる「桃の節句」。吉兆の「兆」に木を添えた「桃」という字のとおり、桃は古くから幸せのしるしとされてきました。明代の呉承恩が著した西遊記では、不老長寿をもたらす仙果として桃が描かれています。孫悟空が天界の桃を地上に落とし、それが人間界の桃になったという伝説は、どこか夢のある物語です。
日本でも古事記に、桃が邪気を払う力をもつ存在として登場します。鬼を退けた桃は、子どもを守る象徴でもありました。雛祭りに桃の花が飾られるのは、厄を払い、健やかな成長を願う意味が込められているのでしょう。
満開の桃が丘をやわらかな桃色に染め上げる景色は、まさにこの世の桃源郷。長い冬を越え、命が芽吹く季節に咲くその姿に、私たちは子どもたちの未来を重ねます。笑顔あふれる毎日が続きますように――桃の節句に夢のような世界を思い描きながら、幸せを祈る大切な一日にしてみませんか。